福島の放射性汚水は30年後、太平洋全体に拡散しました。

高放射性汚水を防ぐために

東京電力は9日から、放射性汚水が漏れた福島第一原子力発電所の2号機の水門前で、鉄板の幅4メートル、高さ8メートルの計7つを海から直接海底に挿入する「鉄板閉塞」を実施しました。

また、東京電力は2号機の水門前、4号機の南側堤防近くと北側水門入り口の3か所に砂網を設置する予定です。

砂止め網はポリエステルの材料でできています。河川や海岸工事で汚濁防止のために使われています。

このブロックは浮きと重いものを持っていて、水面に浮かべながら海底に沈みます。高さは10メートルで、幅は120メートルです。

原子力発電所の南側の堤防が一部破損したため、東京電力は砂袋を積んだほか、堤防のそばの海にも鉄板を設け、汚水の流出を防ぐ考えです。

日本原子力研究開発機構の中野政尚研究員は、福島第一原子力発電所から海に放出された放射性物質は、海流5年後に北米に到達し、10年後にアジア東部に到達し、30年後にはほぼ太平洋全体に拡散したと推測していますが、現在の原発内に残っている2万トンの高レベルの放射性汚水もすべて海に漏れています。

日本気象研究所の青山道夫研究員は、時間の経過と海水の伝播に伴い、放射性物質の濃度は非常に低くなるが、現在の技術的条件では放射性物質が漏れたら回収しにくいため、監視を強化し、食物連鎖を介して生物体内に蓄積されるかどうかに注目する必要があると述べました。